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2025年3月23日
建築施工管理技士は、建設現場の“まとめ役”として活躍する国家資格保有者です。
現場全体の工程や安全、品質、原価、環境などをトータルに管理し、建物の完成までを導く非常に重要なポジションです。
本記事では、建築施工管理技士の仕事内容や年収、資格の種類、向いている人の特徴などを詳しく解説します。
建築施工管理技士は、建設業法に基づく「施工管理技術検定」の1級または2級に合格した者のことを指します。
この資格を持つことで、建設現場における施工計画や工程管理、安全管理、品質管理などを担当することができます。
施工管理技士のなかでも「建築」分野を専門とするのが、建築施工管理技士です。
建築施工管理技士の仕事は、以下の5つの項目「QCDSE」の観点から現場を管理することが中心です。
設計図や現場の状況、予算などを踏まえて、どのような工法で工事を進めるかを計画します。
協力会社の選定や着工前の説明、資材の再利用計画、周辺環境への配慮なども含まれます。
建設工事がスケジュール通りに進むように、職人の作業日程や資材発注を調整します。
工事の規模が大きくなるほど複雑になる工程管理は、現場監督としての力量が問われます。
現場での事故を防ぐための安全対策やパトロール、安全教育、機材のチェックなどを行います。
現場に出入りする作業員や近隣住民の安全を守る重要な仕事です。
設計図通りに建物が仕上がるよう、使用する資材や施工手順、職人への指示まで徹底的に管理します。
設計変更が必要な場合は、設計者や依頼主と相談しながら最適な方法を模索します。
工事による騒音、振動、排気ガスなど、周囲の環境への影響を最小限に抑える配慮も必要です。
また、作業員が快適に働ける職場環境を整えることも建築施工管理技士の役割です。
種類 | 管理可能な工事規模 | 対象となる工事 | 試験の特徴 |
---|---|---|---|
1級建築施工管理技士 | 制限なし(大規模工事も可) | 超高層ビル・大型商業施設・公共施設など | 一般的に受験資格が厳しい(大学卒+実務3年以上など) |
2級建築施工管理技士 | 中小規模の工事まで | 一戸建て住宅や中小ビルなど | 「建築」「躯体」「仕上げ」に分かれ、全分野には3科目合格が必要 |
1級を取得すれば、公共性の高い大規模工事も管理できるため、キャリアアップや収入面でも大きなメリットがあります。
建築施工管理技士の年収は、資格の級や実務経験、勤務先によって異なりますが、以下が一般的な目安です。
• 2級建築施工管理技士:年収400〜600万円程度
• 1級建築施工管理技士:年収600〜900万円以上も可能(役職や手当によっては1,000万円超も)
資格手当や役職手当がつく企業も多く、特に1級保有者は高待遇で迎えられるケースが多いです。
建築施工管理技士に向いている人には、以下のような特徴があります。
• リーダーシップがある人
現場では多数の職人や関係者をまとめ、的確な指示を出す必要があります。
• コミュニケーション能力が高い人
依頼主や設計者、職人、役所など多くの人と連携しながら進めるため、調整力や対話力が求められます。
• 責任感が強い人
安全や品質に対する意識が高く、細かい部分まで責任を持って管理できる人が活躍できます。
建築施工管理技士の資格を活かせる転職先は多岐に渡ります。以下は代表的な例です。
大規模工事の施工管理に携わることができ、キャリアアップやスキル向上が見込めます。
建築物の企画・開発業務に関わることができ、施工管理の経験が大きな武器になります。
建物構造の専門知識を活かし、物件の提案や重要事項説明がスムーズに行えるため信頼されやすく、インセンティブで高収入も狙えます。
建築施工管理技士は、建設現場における“司令塔”のような存在です。
安全・品質・コスト・工程・環境のすべてを管理するスキルが求められるため、非常にやりがいがあり、社会的な貢献度も高い職業です。
1級の取得を目指すことで、大規模プロジェクトに関われるチャンスも広がります。
今後も建築業界では人材不足が続くと予測されており、資格取得によるキャリアアップや転職市場での優位性も非常に高いといえるでしょう。